共同研究

大学等との共同研究

弊社では、この超高減衰テクノロジー(「GRAST」)の更なる高度化と、広く一般に普及させることを目指して、大学、各業種大手メーカー等、多方面・業界との共同研究を行っています。その成果として高層ビルや戸建住宅の制振装置、コンピューターの制震ラック等、様々な分野への実用化が進んでいます。

今後も多くの方々との共同研究により、「GRAST」の無限の可能性を追求し続けていきます。

高層ビル

研究の内容

京都大学大学院工学研究科建築学専攻・竹脇研究室と2005年より共同研究を実施しています。 この共同研究においては、住友ゴムの超高減衰ゴム制振材を高層建築物に組み込んだ場合の地震応答および風応答の低減効果を、高減衰ゴムに対する極微小変形動的載荷実験などの実験的研究、および、等価線形解析などの理論的研究を通じて検証し、常時作用するような微小な風外乱から極めて稀に発生する大地震までの広い範囲にわたって、居住性に関連する加速度応答と、構造安全性に関連する変位応答をバランスよく低減させることが可能であることを明らかにしました。また、共同研究で定式化された高減衰ゴムの特性は、SNAP(構造システム)、SS21/DynamicPRO(ユニオンシステム(株))、MIDAS iGen(MIDAS IT社)等の汎用ソフトウェアに組み込まれ、多くの構造設計ユーザーの皆様に利用いただいています。

共同研究者

竹脇 出

教授: 竹脇 出
Izuru Takewaki

京都大学 桂キャンパス
C1棟3階382号室
TEL 075-383-3294
FAX 075-383-3297

研究室ホームページ

住友ゴムの高減衰ゴムダンパーの魅力は、(1)極小振幅から大きなエネルギー吸収が期待でき日常頻繁に発生する風に対して有効であること、(2)温度や振動数に対する依存性が他製品とは比べものにならないほど低く建築の構造設計で使いやすいこと、(3)種々の力学特性をもつダンパー材を自由自在に作ることができる点にあると思います。また、最近では、南海トラフ地震による大振幅・長継続時間地震動や断層近傍地震による長周期パルスなどの想定外の地震動に対する構造安全性が問題となっており、住友ゴムの高減衰ゴムダンパーはストッパー的な役割を果たすことができるのではないかと考えています。

これまでも種々の制振ダンパーを見てきましたが、住友ゴムの高減衰ゴムダンパーは制振構造の分野に革新をもたらすすばらしい材料であると感じています。共同研究を一層発展させ、高層建物の居住性と安全性を飛躍的に向上させることで世の中に貢献したいと考えています。

インタビュー映像(日本語)
Interview Video(English)

藤田 准

准教授: 藤田 皓平
Kohei Fujita

京都大学 桂キャンパス
C1棟3階381号室
TEL 075-383-3295
FAX 075-383-3297

研究室ホームページ

地震に対する防災・減災対策として、耐震性の観点から極めて稀に発生する地震に対して建物の構造安全性を確保するだけでなく、地震後の建物の継続使用性や早期復旧性を高めることも重要であると認識されつつあります。建物を安全・安心に利用するために、地震時の建物の剛性を高めることで揺れの大きさを小さくすること(=耐震)に加えて、早期に揺れを低減させること(=制振)が必要になります。

住友ゴムの高減衰ゴムは、小さな揺れから大きな揺れまで幅広い領域で振動エネルギーを熱エネルギーに変換することで極めて高いエネルギー吸収性能を持った材料です。建物に高減衰ゴムを組み込むことで、剛性も付与することができるため、揺れを低減させる制振ダンパーとして用いるだけでなく、建物が被害を受けても構造安全性の低下を抑制することが可能と思われます。本共同研究では、高減衰ゴムの材料特性を生かした種々の耐震・制振デバイスの開発および性能検証実験や建物に組み込む際の設計手法の構築を行っています。

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戸建住宅

研究の内容

信州大学工学部社会開発工学科建築コース・五十田研究室と2007年3月より共同研究を実施しています。
五十田研究室は、現在・過去・未来の木質構造に関する研究、新材料を用いた建築構造に関する研究、建物の健全性評価のためのヘルスモニタリングシステム(建物の健康診断と体力測定)に関する研究を行っており、本共同研究においては、住友ゴムの高減衰ゴムが持つ性能のさらなる高度化を図り、在来軸組住宅向けの構法開発に取り組んでいます。

共同研究者

五十田 博

教授: 五十田 博
Isoda Hiroshi

信州大学
長野(工学)キャンパス

近年、住宅の高耐震化や既存木造住宅の耐震補強推進の取り組みが活発になされており、高減衰ゴムは高耐震化を可能にする材料として注目されています。住宅の耐震化では、大地震時に倒壊に至ることのないよう強度や変形能力が必要とされることはもちろんですが、中小規模の地震においても被害を最小限に食い止めるために微小変形領域での堅さとエネルギー吸収性能も必要です。さらに、住宅では構造躯体に関して定期的にメンテナンスをするようなことは考えにくいため、十分な耐久性を持ったものである必要があります。住友ゴムの高減衰ゴムは現状でもそれらの性能を兼ね備えた材料といえます。共同研究ではそれら性能のさらなる高度化を図るとともに、構法開発も併せて行っています。

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論文集

高硬度ゴム粘弾性ダンパーによる建築物の居住性能の改善ダウンロード
高硬度ゴム粘弾性体の極微小変形から大変形までの歪・振動数依存性のモデル化ダウンロード
風に対する建物応答低減のための高硬度ゴムダンパーによる極小振幅時付加減衰ダウンロード
高硬度ゴム粘弾性ダンパーによる建物の風応答低減効果に関する実験的研究ダウンロード
高減衰型粘弾性ダンパーを用いた梯子状梁による耐震補強効果ダウンロード
橋梁の地震応答低減に対する高減衰ゴムダンパーの有効性に関する研究ダウンロード
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